パウロの教えによれば、旧約における神との契約(特に律法)は、イエスの死と復活によって完成されたとされています。パウロはこれを「律法が廃棄された」というより、「イエスが律法の目的を達成し、新しい契約をもたらした」と解釈しています。
具体的には以下のように述べています:
律法の完成
パウロはローマの信徒への手紙10:4で、「キリストは律法の終わりである」と述べ、イエスの死によって旧約の律法の役割が達成されたと考えています。
新しい契約
コリントの信徒への手紙第二3:6では、「文字(律法)は殺し、霊は生かす」と述べ、新しい契約は律法ではなく、イエスを信じる信仰と聖霊によると強調しています。
律法の役割
ガラテヤの信徒への手紙3:24では、「律法は私たちをキリストに導くための養育係であった」とし、律法は一時的な役割を果たしたと述べています。
結論
パウロは、旧約の律法や契約を破棄したとは言いませんが、それがイエスによって完成し、新しい形に置き換えられたと主張しています。
はい、新約聖書のコリントの信徒への手紙第二5:17に記されています:
「だれでもキリストの内にあるならば、その人は新しく創造された者である。古いものは過ぎ去り、見よ、すべてが新しくなった。」
パウロのこの表現は、キリストを信じることによる霊的な変化と新しい人生の始まりを象徴しています。
この言葉は、キリストを信じることで人は霊的に新しい存在となり、過去の罪や旧い生き方から解放されるという考えを表しています。
古い契約や律法からの解放も含意されていると解釈されることがあります。
パウロが「新しい契約」について言及している箇所は、新約聖書の複数の部分に見られます。
パウロは、新しい契約を「イエス・キリストによる贖いと聖霊による新しい命」として強調しています。
これは旧約の律法の制約を越えたものであり、恵みと信仰に基づく個人の救いが中心です。
彼は旧約の律法と新しい契約を対比しながら、イエス・キリストの贖罪による新しい契約の本質を説明しています。以下に代表的な箇所を挙げます。
1. コリントの信徒への手紙第二3:6
「神は私たちを新しい契約に仕える者とされた。それは文字にではなく霊に仕えるものです。文字は人を殺し、霊は人を生かすのです。」
ここでパウロは、旧約の律法(「文字」)は死をもたらすが、新しい契約(「霊」)は命を与えると述べています。新しい契約は、文字通りの律法の遵守ではなく、聖霊による信仰と恵みによる救いを基盤としています。
2. ローマの信徒への手紙8:2-4
「なぜなら、キリスト・イエスにある命の霊の法則が、罪と死の法則からあなたを解放したからです。」
ここで、旧約の律法では罪を完全に克服できなかったが、新しい契約ではキリストの働きによって罪と死から解放されると述べています。
3. ヘブライ人への手紙8:6-13
「主は言われる。『見よ、わたしはイスラエルの家とユダの家と新しい契約を結ぶ日が来る』…。」
この箇所では、新しい契約が旧約の律法とは異なり、心に刻まれた神の律法と個人的な神との関係を強調しています。パウロが書いたかどうかは議論がありますが、彼の神学と一致する内容です。
4. ガラテヤの信徒への手紙3:24-25
「律法は、私たちをキリストに導く養育係でありました。しかし、信仰が現れたので、もはや養育係の下にはいません。」
ここでは、新しい契約を、旧約の律法の制約から解放され、信仰によって神の子となることとして説明しています。