ボーダーライン:ソルジャーズ・デイのネタバレ感想

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)
Sicario 2: Soldado/Sicario: Day of the Soldado/Soldado

というのを見ました。

思ったことをネタバレ全開で箇条書きしておきますね。

前作SICARIO ボーダーライン は、自分の好みで90点映画の名作映画なんですけど、
前作を比較するために100点としたら、今回の映画は、40点くらいの映画ですね。

ところどころ、いいところはありますが、全体を通してみると残念な映画です。

音楽の使い方が適当すぎ

前作の「ボーダーライン」ではヨハン・ヨハンソンの音楽がめちゃくちゃ良かった。

これは、ターミネーターの”デデンデンデデン”に匹敵するくらいの、名スコアじゃないでしょうか?

不安になる不協和音のBGMで、緊張感をたかめるのに、すごく貢献しています。

しかし、今作ソルジャーズデイでは、「ブーン。ブーン」って全般で使われすぎです。

「かっこいい音楽で、シカーリオと言えば、このブーーーゥンだよね!。」「とりあえず、このブーーーンって鳴らしておけば、重苦しい感じが出て、SICARIO ボーダーラインぽくなるよね!」てなにも考えないで、使いすぎなんです。

ここぞというところで、使わないとダメじゃないでしょうかねー?

前作のSICARIOで良かったところは、やっぱりトンネル作戦の出発前の集合のシーンで、ブーーーンってなってたところがかっこよかったです。

イスラム教のテロいらなくない?

映画の冒頭、メキシコ→アメリカの国境を越えようとする場面と、カンザスのスーパーマーケットで、自爆テロがあるんですけど、まあテロをする人がイスラム教のテロリストなんですけど、映画的には、ここで、2回爆発するだけなんですよね。

これも、映画全体で、2,3分くらい、イスラムのテロを差し込むのが冗長じゃないでしょうかねー。なんか余計なプロットいれたよね。って感じがします。

前半はめちゃくちゃかったるい

前半はめちゃくちゃかったるいですよね。で、なんかおしゃべりのシーンが多いんですよ。

これも、やっぱ、デル・トロとブローリンが、超法規的な作戦をするためには、なにか理由をつけなくちゃいけないので、理由をつくるために、おしゃべりのシーンを挿入して、わざわざ理由をとってつけた感があってかったるいです。

低額予算映画ぽい感じがする

ソマリアにアフロヘアの人を捕まえにいくときに、普通の丁寧なハリウッド映画なら、「ソマリアに来ましたよー」感を演出するために、ソマリアの街の風景を、空撮だったり、雑踏の町並みを入れたりして、現地感をだすんですけど。

テロップの文字だけで、”ソマリア”ってでてくるだけ、あと、その捕まえた人をジブチに移送するんですけど、それも、テロップでジブチってでてくるだけ、けっこう適当です。

あとドローンで、「おまえの家は丸見えなんやで」みたいなシーンがあるんですけど、そのドローンの映像がやたらクリアで、ただ空撮映像を緑色にしただけみたいな感じで、ドローンの映像をパソコンにうつしている感がないんですよね。

とりあえず、ソマリア人を捕まえて尋問するシーンがチープです。これが、前半のシーンなので、かなり期待値が盛り下がります。

デル・トロが活躍するシーンがない

これが決定的ですよね。すごくいい演技をしているんですけど、活躍しないんですよね。

前作は、デルトロが殺し屋ってわからなかったから、トンネルを抜けてから、「え、そんなにひとりで無双しちゃうの?」みたいな活躍ぷりが、メリハリついてて面白かったわけなんですけど、

今回は、観客は、みんなデルトロが殺し屋なのがわかってるし、ジョシュ・ブローリンからも「力を貸してほしい」って請われてチームに入っているわけなので、とうぜん観客目線では「バリバリやってくれるんだよね!」って期待値はたかまるのですが・・。

たいした活躍もせず、国境を超えさせる稼業をしているチンピラに捕らえられて、ほぼ殺されてしまうのです。で、映画としてはこれ以降に、バリバリするシーンはないので、ぼくとしてはがっかりでした。

麻薬カルテルを抗争させる必要ってある?

あと、脚本は前作のボーダーラインでも、?な部分は多いので、べつにめちゃめちゃリアルな脚本は求めてはいけないと思います。

ただ、今回は、「2つのマフィア?カルテルを抗争させて、2つとも弱らせてしまおう!」というわりには、どちらのひとつも、カルテルの様子が描かれていないんですよ。

まあ、それは前作のボーダーラインでも、描いていなかったからいいでしょう。ぎゃくにシルヴィオの日常を描いたのは良かったですね^^。

ぼくはこういう感じにしてほしい

映画の前半では、ソマリアで特殊部隊動かして、ジブチのCIAの秘密基地に移送しているんだから、本来はわりとスケールの大きな事を描いていたはずなのに、後半は、国境で人を密入国させるチンピラとの、女の子を守る争い。みたいに、めちゃめちゃスケールダウンしましたよね?

ぼくの希望としては、2つのマフィアを仲違いさせるために、イザベルちゃんを誘拐するのをメインのプロットにするなら、

イスラムテロがどうこうとか、へんにタイムリーぽいこと入れようとして、なんかちょっと時代遅れ感だすより、ざっくり本題に入って、麻薬カルテルやっつけにいけばいいんですよ。

ジョシュ・ブローリンのCIAの力も使えば、荒唐無稽な感じにもならないでしょ?前回同様に、軍事衛星、ドローン、CIA、デルタ・フォースなどの特殊部隊も使いましたよー。って感じにすれば、リアリティもだせるでしょ。

もう、デルトロが、2つのマフィアに乗り込んでいって、2つとも壊滅させちゃう、大味な味付けの脚本でもよかったと思いますよ。そんで、2つの麻薬カルテルを全力でフルボッコにしたあげく、親なしになってしまったイザベラちゃんをアメリカ国境を超えさせるってシナリオに変えたらいいんじゃないかな?

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