天国は、ほんとうにある Heaven Is For Real レビュー

総評

90%面白い

見る前は、”ほらこんなこともあんなことも彼は体験した、天国を信じざるを得ないだろ?”って天国の実在性を、コルトンの証言からたたみかけるような、ちょっと宗教色の強い映画かとおもいました。

しかし、ストーリの屋台骨は、主役のお父さんの信仰の葛藤がメインの心理映画だと受け取りました。

面白い点 

心理描写、心理的な葛藤をリアルに描いている

葛藤はいくつもあり

クリスチャンで牧師なのに、素直に天国を信じられない。
(口では、信じてるといい。存在していると信徒には言っているのに。)
父親として、子供の言うことを信じてあげることができない
聖書には、「幼子のように信じなさい」と書いてある。
しかし主役のトッドは、幼子のようにも信じられない。幼子をそのまま信じることもできない。

社会派映画な一面もあり

クリスチャン人口の多いアメリカの実態を描いてもいる。
アメリカ社会やキリスト教社会では死んだら天国にいくことになってはいる。
しかし、いざ天国について、真正面から信じていることを話すとバカにされる、揶揄される。
信徒からも、薄っぺらでファンタジーだと批判される。教会から嫌がられて解雇されそうになる。

など、日常では、クリスチャンとして生きてても、
”天国ってのが、いかに信じずらいものか?”
主人公は皮肉にも家族の臨死体験を語ることにより思い知らされてしまう。
というのも描いている。

アメリカでこの映画が支持されたのは、
この主役の心理的な葛藤と、クリスチャン社会でのあるあるが
見るアメリカ人にも自分のこととリンクして、共感しちゃうからだね。

あと天国の描写のシーンが少ない&抽象的なのも、天国がメインの映画ではなく
アメリカ人の信仰という心理を描くのがメインテーマなので良い演出だと思います。

面白くない点

最初の30分までが長いですね。コルトンが臨死体験をするシーンがはじまってから30分めにあります、それまで日常の描写で、ちょっと退屈です。原作の本をそのまま順番に映像化してるからだと思います。

映画のスピード感をあげるために、映画的にキーになる臨死体験を先頭にもってきてもよかったかもしれませんね。

それから、日常を描くというふうに映画的に順番の入れ替えをしても良いと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする