イスラム教の信仰告白

イスラム教の信仰告白の、ラーイララー・・・のような文言には、 「ilah」という形で、神に定冠詞がついてない状態でもたくさん出てきますか?アルファベットであらわすと、どんな感じですか?

はい、イスラム教の信仰告白(シャハーダ)では、「lā ilāha illā Allāh」(لَا إِلَٰهَ إِلَّا ٱللَّٰهُ)というフレーズが使われます。この中の “ilāha”(إِلَٰهَ)は、定冠詞 “al-“(الـ)なしの形で登場します。

アルファベット表記
lā ilāha illā Allāh
(لَا إِلَٰهَ إِلَّا ٱللَّٰهُ)

この中で “ilāha”(إِلَٰهَ)は、「神」という意味の一般名詞で、特定の神ではなく「いかなる神も(存在しない)」という意味を強調する形で使われています。一方、「Allāh」(اللَّهُ)は、定冠詞 “al-“(الـ)+ “ilāh”(إِلَٰه)から派生した形で、「唯一の神(アッラー)」を指します。

他にも “ilāh” が使われる例
クルアーンでは、”ilāh” という語が定冠詞なしの形で頻繁に登場し、多神教を否定する文脈や、他の神々について言及する際に使われます。例えば:

وَإِلَٰهُكُمْ إِلَٰهٌ وَٰحِدٌ
wa-ilāhukum ilāhun wāḥid
→ 「あなたがたの神は唯一の神である」(クルアーン 2:163)

أَءرْبَابٌ مُّتَّفَرِّقُونَ خَيْرٌ أَمِ ٱللَّهُ ٱلْوَٰحِدُ ٱلْقَهَّارُ
a-arbābun mutafarriqūna khayrun am Allāhu al-wāḥidu al-qahhār
→ 「散らばった多くの神々が良いのか、それとも唯一で征服者であるアッラーが良いのか?」(クルアーン 12:39)

このように、”ilāh” は「神」という一般概念を指し、アッラー(唯一神)を強調するときは “Allāh” という固有名詞が使われます。

イスラム教のallah も、YHWHのようになにかの母音のわからない子音の並びだったりしますか?

いいえ、「Allah(الله)」 は最初から明確な母音を持つ単語であり、YHWH(יהוה) のように母音が不明な「子音だけの神聖四文字(テトラグラマトン)」ではありません。

Allah(الله)について
アラビア語の 「al-(ال)」(定冠詞:「その」)+ 「ilah(إله)」(神) が合わさった形。
発音は 「アッラーフ」(ʔaɫˈɫɑːh)。

母音が明確に含まれている ため、YHWH のように発音が失われることはない。

YHWH(יהוה)との違い
YHWH は 子音だけ(Yod-He-Vav-He) で構成されており、母音が書かれていないため、元の発音が不明。
Allah は 最初から明確な母音があり、発音が確定している。
つまり、Allah は YHWH のような「神聖四文字」ではなく、最初から普通に発音される単語 です。